匣 庭
登場人物
アリシア
サードニクス
ジョースター
スミレクン
タリー
デカプリン
ビーツ
ベン
ルシファー
プロローグ 再会
ルシファーの小説
LSエピソード
第一の殺人
第一の殺人
疑心暗鬼
第二の殺人
第二の殺人
第三の殺人
挑戦状
推理
エピローグ 再会心象のはいいろはがねから・・・・
いちめんのいちめんの
模様・・・・
四月の気層の
ひかりの底を・・・・
おれはひとりの修羅なのだ・・・・
(「春と修羅」より一部抜粋)〜プロローグ〜
遠くの風の音が聞こえる。
ひどく物哀しい音色である。目前に迫った春の到来に身構えた山々が交わす囁き声の
ようにも、何処かこの世の外から迷い込んだ巨大な動物が、元の世界を想って続ける
慟哭のようにも聞こえる。
リヴァ鯖ヴァナ・ディール。四年ぶりに訪れたLS「STiVersion」に僕はいる。この古いLSも、四年の間に随分と趣きが変わってしまった。あと何週間かすればここも大勢の学生たちで賑わうのだろうか。
四年前―二〇〇〇年四月某日。あの日、あの好景をなぞるような快晴であった。
*
*
*
*
快晴であった。
ある日、突然タリーさんから呼び出しのTellがあった。そのため僕は今、親友である
デカプリンとLSの「STiVersion」を訪れた。この日がLSメンバーと初顔合わせあり、
二人ともなれないAF姿だ。わくわくしながらジュノ上層の教会に入る。すでに古参方が
来ており、かなりだらけた、いや、リラックスした姿勢で出迎えてくれた。やがて女の子三人が入ってき、ジョースター、スミレクンと続いた。
これが我々(ベンさんを除く)の運命的とさえ云える出会いの場面であった。
(プロローグ・終)耳ごうと鳴つて さつぱり聞けなぐなつたんちやい
すべてがあるがごとくにあり
かがやくごとくにかがやくもの
おまへの武器やあらゆるものは
おまへにくらくおそろしく
まことはたのしくあかるいのだ
みんなむかしからの
きやうだいなのだから
けつしてひとりを
いのつてはいけない
(「青森挽歌」より一部抜粋)〜第一章〜
「どう?」俺は皆にたずねた。
「どうって言われても、お前がそんな物を書くなんて・・・。」デカプリンは心底驚いて
いるようだ。
「うん。何かおもしろそう。続きが読みたくなるな」とスミレクンが言う。
サードニクスが続ける「ところでこの小説のジャンルは?」
俺は少し照れながら「本格ミステリー!」
「本格ミステリー!?」」
やはりデカプリンがくいついてきた。
「そう、しかもこのLSを舞台にして、もちろん登場人物もこのメンバーで。」
「質問!」ジョースターが言った。
「最近入ってきた人はどうするの?」
「うーん?彼らには悪いがデータが少ないので出さないつもり。」
「それで誰が殺されんの?」
「おいおいタリーさん!そんな事言えるわけないでしょ!」
「それじゃルシは殺人事件を書くつもりなんやな?」デカプリンがたずねる。
「そう。殺される人は気の毒だけど。うらみっこなしということで。」
「それなら少し注文したい事があるんやけど。」
「ん?何や。」
「まず第一に犯人は単独犯でなくてはいけない。第二に殺人は連続殺人でなくてはならない。第三に地の文、つまり会話等の描写等の記述で嘘をついてはならない。第四に犯人はいさぎよく負けを認めなくてはならない。もちろんこれらは拙者が思う本格ミステリだから強制はしないが。つけ加えるとwhy did it(ホワイダニット)なぜやったのかではなく
who did it(フーダニット)誰がやったのかという所を重点にしてほしいのだが。」
「デカさん注文が多いなぁ。まあそのつもりにしてたんだけどね。でもね、もちろん謎解きは楽しんでもらいたいけど、それ以上に物語を、一つの作品を楽しんでほしい。
あ、それと今こうして会話していることも小説に書こうと思っている。」
一同「えー!?」
「ま、いつ書き終えるかわからないけど気長に待ってて。」
(第一章・終)それからさき どこへ行ったか
わからない それはおれたちの空間の
方向では はかられない
・・・
すべての勢力のたのしい根源
万象同帰のその
いみじい生物の名を
ちからいつぱいちからいつぱい
叫んだとき
・・・
いつぴきの鳥になつただらうか
(「青森挽歌」より一部抜粋)〜第二章〜
ふー。俺はため息をつきながらペンを置いた。本当にこれ書き終わるのだろうか。
今更ながら不安になる。とりあえず明日、タリーさんに読んでもらおう。
次の日の朝、俺はいつものようにPS2の電源を入れログインした。
LSにはまだタリーさんしか来ていないようだ。
「あ、おはよ〜。」
「おはよう。」
「タリーさん。例の小説を読んでほしいのですが。」
「ん、どれどれ」タリーさんがじっくり第一章を読み始めた。
「ダメ。」
「え?何で?」予想外の反応でちょっとビックリした。
「僕のセリフが少なすぎる。」
「何だ。それだけか?」
「何だとは何だ。」
「おはよー」サードニクスが入ってきた。
「あ、小説できたの?私にも見せて。」
「ごめん、もうちょっと形になってから。」
「おはよう〜」デカプリンがきた。遅れてジョースターとスミレクンもきた。
どうやら今日はこれだけのようだ。
「よし、今日は何しよう。」
LSリーダーであるタリーさんが言う。
「とりあえず釣りをしよう。」
本当に釣りの好きなリーダーだ。となりでLv上げにいってるスミレクンをちらっとみて
ちょっとは見習えと思った。